2/17 金環日食:水瓶座28°|日本は変わる?あなたは変わる?高周波の扉

時空間飛行 ― 2万年前と3万年前のあいだで

ソホトン洞窟の中から揺らめく洞窟の外の世界の光

海の記憶とハグ



フィールドワーカーとして、旅をする

私の旅は、ほとんどフィールドワークだ。
とはいっても、発掘のような学術的なやつではない。

観光名所をチェックしてまわるのではなく、
その土地の時間層を、身体で歩く。

2万年前の波動を感じに行く。
3万年前に誰かが見た岩に指をかけに行く。

それは計画というより、引力に近い。

今回もそうだった。

スンダランド 島の洞窟

フィリピンという同じ海域に浮かぶ、
パラワン島とシャルガオ島。

同じ国なのに、
波動がまるで違う。

時間軸も、体験の質も、
何もかもが別の層にある。

片方は数年前。
もう片方は、先月のこと。

どちらの旅も、
「よし行こう」という清々しい決断とは少し違っていた。

けれど結局、
どちらも連れて行かれた。


パラワン島 ― 2万年前のハグ

数年前、パラワン島を訪れた。

洞窟巡り。昔から洞窟が好き。
ヘルメットをかぶり観光客として、
ボートに乗り込んだ。

洞窟の中を、ボートでゆっくりと進んでいく。
漆黒の闇よりも暗く黒い空間。
ライトを当てる。
鍾乳石が、雫の彫刻を形作る。
水の記憶が結晶化した、美しいオブジェたち。

ときおり蝙蝠が横切る。

そのとき。

唇が、動きたがっていることに気づいた。

いつもそうだ。
チューニングが合う場所に来ると、こうなる。

少し緩める。

するとブツブツと、ライトランゲージが流れ出した。

隣には旅の女子友がいた。
私が何かブツブツやりはじめても、彼女はそっとしておいてくれていた。

後でこっそり聞いてみた。

「私、なんか変だった?」

彼女は笑って言った。

「よくあっちの世界に行くの知ってるから、そっとしておいたよ〜」

最高の旅の友だと思った。

ブツブツは、洞窟を出てからも止まらなかった。
外の太陽の下、ボートがその島を通り過ぎるまで、ずっと続いた。

名残惜しかった。

「また来るね」という気持ちだけが、胸に静かに残った。


満面のハグ

そして、あのハグのことを書かなければならない。

「ハグ」というのは比喩でも、感傷でもない。
実際に、感じた。体感した。

波はさざなみのように、遠くからやってきた。

フェードイン。
じわじわと、しかし確実に近づいてくる。

そして心の真正面に——ドンッ。

よく来たね!ウェルカムウェルカム!の合唱。

そして、

「太陽のような満面のハグ」。

「もう我慢できないくらいウェルカム!!」

という感情エネルギーが、私のすべてを満たした。

姿は見えない。
でも魂を、きっちり抱きしめられた。

一片の曇りもない。
一億パーセントの受容。

日本での 「距離感」

日本にいた頃、私は人との間に距離を感じていた。
海外を棲み処にしてかなり経って、ようやく「普通にハグできる」と身体で思えるようになった。

でもパラワンで感じたそれは、ことごとく次元が違った。

「ああ、これが本当のハグか」

そう思った。

眩しくて、透明で、
見えないのに確実に存在するエネルギー。

宇宙人

当時、私はそれを「別の惑星のスピリットだ」と思っていた。
2万年前にこの土地に人類がいたとは、想像もしていなかったからだ。

氷河期=人類は絶滅寸前。
そういう画一的なイメージが、無意識のどこかに刷り込まれていた。

でも後日、知る。

氷河期でもこの地は温暖で、バナナもココナツも実り、人類が暮らしていた痕跡が確認されていると。

別の惑星の存在ではなかった。
ただ、今の人類とは、波動の質が違っていた。

あのハグは、2万年前の誰かだったのか。
当時の私自身だったのかもしれない。


シャルガオ島 ― 強制的に辿り着いた10日間

シャルガオ島行きは、計画通りではなかった。

ある儀式の招待を受け、スケジュールがあった。
しかしそれが崩れ、でも私はそこへ向かう流れとなった。

結果として、ソロで空白の10日間。

Cloud9の壁のような波。
星降る空や鳥たちを囲む樹木と対話する時間が増えると、
ようやく島のリズムに、自分のリズムが合ってきた。

人といる旅では届かなかった層まで、
ソロだから潜れたのだと、後になって思う。

これは調整だったのだろう。
強制のように見えて、実は。


儀式が空白になってもシャルガオ島を訪れたのには、理由があった。

パラワン島で2万年前の波動に抱きしめられた後、
私は当然のように「もっと古代の波動とコンタクトしたい」と思っていた。

そこにソホトン洞窟の話が入ってきた。

約3万年前の人類の痕跡が残る地。

白人が多いサーフィンで有名な島。

でも私は「3万年前の人に会いに行く」という感覚だった。


ソホトン洞窟 ― 世界を征服した末裔が怖気づいた場所

この日のボートは、出発前から過酷だった。

海上で雨。
波しぶきと雨水で、洞窟にたどり着く前から全身びしょ濡れ。

ボートの中の5人。

私(ソロ)、ポルトガル人男性×2、タイ人カップル。

全員、それなりの旅慣れ感を持った顔をしていた。

洞窟の入口に到着したガイドが説明する。

「洞窟の中に入るには、ここを潜って、向こう側の空洞に出る必要があります。だいたい15秒くらい息を止めれば大丈夫です」

ポルトガル人男性のふたりが、聞き返した。

「え、何秒?」
「もう一回言って?」
「潜るの?水の中?」

ガイドが何度も、辛抱強く説明する。

そして最終的に彼らが出した答えは。

「……ボートで待ってます」

え??2度見。。ほんとに???3度見!!!

大航海時代に世界を征服した末裔でしょう??
海と船のDNAが入ってるはずなのに???
遠いところからせっかく来たのに・・・w

と、心の中で大爆笑しながら、私は潜った。

タイ人カップルも、少し躊躇しながらも続いた。


向こう側の光

水の中に入った瞬間、濃密な静寂。

ヘルメットを頭に押さえながら潜る。
ガイドは後ろから押し出して助けてくれる。

空洞に出る。暗い。深い。
立ち泳ぎのまま。

でも息ができる空間はある。
安心感。

目が慣れると——思ったより、ずっと広い。

天井が高い。
不規則な形の鍾乳石があちこちに垂れ下がり、それぞれオブジェのように見える。

振り返ると、さっき潜ってきた穴から、向こう側の世界の光がユラユラと揺れていた。

揺らめき煌めく、緑の透明な光。

水底から差し込んでくる、異世界からの光。

揺らぎながら、丸い窓のあちら側とこちら側をつないでいる。

まるで2つの時間軸を隔てているみたいだと思った。

幻のような時空間と、その光の美しさが先にあった。

立ち泳ぎが辛くなり、壁を掴む。

そして、音。

詰まっているような音の質感、とでも言えばいいか。

まだ誰にも届いていない音が、
ここにぎゅっと圧縮されて存在しているような感じ。

静かなのに、密度が高い。

天井には当時の焚き火の煤が、まだ残っているかもしれない。
笑い声が岩に染み込んでいるかもしれない。

3万年前の人類が、この空間を住処にしていた。


洞窟を攻略する ― 岩と水と私

洞窟内の移動は、正直、瞑想どころではなかった。

岩をよじ登る。
指をかける場所を探す。
足をひっかける出っ張りを読む。

首まで水に浸かって歩く区間もある。
気を抜いたら怪我をする。

観光気分で来てはいけない場所だ。

たまに見とれそうになる鍾乳石もあるが、
日本の観光洞窟とは違う。

「触るなんてもってのほか」ではなく、
「ガシガシ掴まないと進めない」環境。

ここに3万年前の人がいた。

私がいま指をかけているこの岩の出っ張りを、
彼らも探していたかもしれない。

同じ視点で、同じ岩を見ていたかもしれない。

そんなことを考える余裕は、正直ほとんどなかった。
でも、断片的にそういう感覚が走った。

岩を上りきると、小さな穴から光が差している。

いろんな角度で体を岩に貼り付けながらよじ出た。

外だった。

高さのある岩の上。
眼下に海。

「え、ここから飛び込む?」

ガイドが涼しい顔でうなずく。

さっき来たルートを戻ることを一瞬考えたが、
それはそれで・・・かなりの地獄が予想された。

覚悟を決めた。

モジモジしている人たちを横目に、私は飛んだ。

海面に着水する瞬間の、あの感覚。

全部リセットされたような気がした。


iPhone塩水没と、文明のたたかい

洞窟から戻った日の夜、充電しようとしたら警告エラーが出た。

「充電コードをすぐに抜いてください」

ジップロックに入れていたはずのiPhone15。
破れた形跡はなかったけれど、いつの間にか少し水が侵入していた。

……やってしまった。

このiPhoneには色々な経緯がある。

前の機種はボリビアで強盗に盗られた。
やむをえずブラジルで新しいものを購入したのだが、ブラジルでiPhoneはとにかくクソ高い。
清水の舞台から三回は飛び降りる気持ちで買った1年未満のiPhone15が、塩水没・・・。

島に小さなガジェットショップがあった。

「純正のMagsafeありますか?」

「純正ありますよ!」と言いはるが、絶対フェイクのやつが出てきた。

でも仕方ない、買った。

古いSE2を引っ張り出し、2カ国分のeSIMを移行した。

昨年は「盗難」だったので、SIMカード自体がなかった。
南米の地でスマホのリカバリー・・・。
かなりの地獄だったのを思えば、今回はSMSが届く状態だったのでまだマシ。
と、自分を慰めながら。

何事も経験。

と笑えるのは、少し経験値上げたからかな(笑)


海底の母 ― マングローブ林

大雨警報が連日出ていた。が、マングローブ林へ向かった。

行かないといけない気がした。

シャルガオ島沿岸に広がる、どこまでも鬱蒼としたマングローブの森。
サーフィンで有名なCloud9とは島の逆の端っこだ。

かつてこの地は、いまより海抜が100〜150mほど低かったという。
約一周前のプラトン周期の頃、ここは人類の楽園だったかもしれない。

ちょうど今と同じ、魚座時代から水瓶座時代へと移ろう頃。

マングローブは、
遠い沖合から約2万5000年かけて、陸との境界へゆっくりと歩み寄ってきた。

焦らない。
急がない。
ただ、根を伸ばし続ける。

シャルガオ島のマングローブの森
シャルガオ島のマングローブの森ー海と大地、空と海底、そして過去と未来を繋ぐ

一本の幹から、百本ほどの堅い足を海底へ伸ばして、
カニや小魚を守りながら、地球をがっちりと掴む

その根っこの姿を水面から眺めていると、

夜、人間が見ていないうちに歩いて移動するんじゃないかと思えてくる。

今にも動き出しそうな波動を、じわじわと放っている。

私はにらめっこするように、その根と目を合わせながら、
自分と似ているなと思いつつ、延々と続く森を進んだ。

海が道を作る 樹木は迎え入れる

時折、細い水路が現れる。
根も枝も、まるで意図的に道を開けるように、すっとまっすぐ向こうが見える。

潮の路

そこに迷い込んだら最後、迷宮ダンジョンのように出られなくなりそうだ。
もし追われることがあれば、最高の隠れ場になるだろう、とも思った。

3万年前の人々は、この林の中で魚介を採り、
山ではフルーツやタロイモを収穫して暮らしていたのかもしれない。

氷河期の生活が、欠乏や苦しみの連続だったとは思えない。
少なくともここでは、豊かさの気配のほうが強い

プロペラ機から見下ろしたマングローブの森の潮の路
プロペラ機から見下ろしたマングローブの森の「潮の路」

マングローブの根を支えに、現代でもその上に板と屋根を組んで住む島の人たちがいる。
地震にも動じない根の力。
天然の空気清浄機。
マングローブの愛に抱かれて眠る夜は、さぞ安心できるだろうと思う。

森の縁に出て、人の住む場所へ戻りながら思った。

この森も、覚えているのかもしれない。

2万5000年分の、すべての潮の満ち引きを


時間の奥行きを飛ぶ

占星術師として時間を扱う私には、
この旅がひとつの天文学的な地図に見えてしまう。

約2万6000年の歳差運動——プラトン周期

文明は上がり、下がり、また巡る。
意識は潮汐のように振動する。

氷河期を生きた彼らは「原始人」ではない。
食べ物はふんだんにある。寒さもない。
夜空の星を見て、ダンスをして、洞窟が大波から守ってくれる。

現代人が失ったものを、彼らは当たり前に持っていたのだ。
進化の途中にいたのではなく、
別の豊かさの中にいた。

地球の文明 ハグと笑顔の輝き

パラワンで感じた、あの一億パーセントのハグ

文明が進むほど、ハグは浅くなっていないだろうか。

シャルガオの洞窟で指をかけた岩。
水面の下で揺れた緑の光。
マングローブが2万5000年かけて歩み寄ってきた、その速度。

全部、同じリズムの中にある気がする。

パラワン島は数年前。
シャルガオ島は先月。

時間軸が違うふたつの旅が、
地図の上では一本の線でつながる。

繋がっていたスンダランド

後で眺めると、私はスンダランドの縁をなぞるように移動していたのかもしれない。

そこに意図はなかった。
でも、引力があった。

私はそれを時空間飛行と呼んでいる。

遠くへ行くことではなく、
時間の奥行きを飛ぶこと。

パラワンのハグも、
ソホトン洞窟の緑の光も、
マングローブの根も、

全部、そのフライトの軌跡だ。

魚座から水瓶座へと揺らぐ、この時代の境目に立ちながら、

私はまだ、飛んでいる。

飛びながら、ソースに繋がる。

あなたとも繋がる。



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